2018年9月22日土曜日

お家で眠ってるスマホ、寄付しませんか?〜カナダ「Phone it forward」


視覚障害者が抱える大きな問題の一つ「情報のバリア」を超えるためにも、スマホなどの情報機器は非常に重要な存在である。
スマホと音声読み上げ機能を組み合わせることで、電話やメッセージ、メールといった通信手段にとどまらず、インターネットからの情報収集やアプリを利用して文字や色、紙幣、照明などを認識したり、外出先でのナビゲーションなどに活用できる。また音声アシスタントや音声認識による文字入力なども、視覚障害者には非常に有用な機能だ。
視覚障害者が情報を得る手段としては他にも音声パソコンを用いる方法があるが、キーボード操作などを習得するのに時間もかかり、自宅にネット環境が必要などハードルが高い。むろん就労を目指すならパソコンスキルは極めて重要だが。
そのような意味でも、筆者は視覚障害者へのスマホ普及が進むことを望むし、それにつながる活動も進めている。

現状、少しずつ視覚障害者のスマートフォン所有率は向上しているが、社会全体から見て見るとまだまだ低い。特に年齢が高くなればなるほど、ガラケーをずっと使っているケースが見られるようだ。

参考:

筆者も近隣地域でのIT支援に協力する中で話をきくが、新しい端末は操作方法を覚えられるのかが不安、という話とともに「スマートフォンは高額」というイメージが強く、あまり積極的に乗り換えようとしない傾向があるようだ。
確かにガラケーと比較してスマホはデータプランのデフォルト設定が高額で、月額利用料が跳ね上がるのは否定できない。ただMVNOに乗り換えたり、ガラケーはそのままにデータ専用のMVNOでスマホを使う方法もある。
だがそれに輪をかけて「スマホは高い」というイメージを補強しているのが、スマホの本体価格である。それこそ新iPhoneがもろもろ入れれば20万円知覚なるなんてニュースを聞けば、所得が低い障害者にとっては縁のない世界にしか思えないだろう。

スマートフォンを当事者に広く普及させるためには、周知活動や使い方などのサポートとともに、経済的な負担をどれだけ軽減させるかも重要となってくる。
一部の自治体ではタブレット端末を支援アプリと組み合わせることで補助対象としているケースもあるが、スマホへの対象拡大や他地域への広まりという動きには繋がっていないのが残念なところだ。

そんな中、海外からきになるニュースが飛び込んできた。
カナダで100年以上もの歴史を持つ、視覚障害者を支援する非営利団体「CNIB(Canadian National Institute for the Blind)」はこの秋、「Phone it Forward」というキャンペーンを開始した。
これは、機種変更などで不要になったスマートフォンを視覚障害者のために寄付できるプログラム。
寄せられた端末は、スマホの修理・メンテナンスを行うFixt Wireless社がリフレッシュ、個人情報などを消去した上で、視覚障害者に便利なアプリ(文字や色の認識アプリなど)をインストールして利用者に渡される。
寄付者には領収書が発行され、税金の控除が受けられるという。

詳しい内容は伝わっていないが、おそらく通信料などは利用者が負担すると思われる。しかし端末の費用負担がなくなるだけでも、視覚障害者のスマートフォン利用のハードルは大きく下がるに違いない。

カナダにおける中古スマホの扱いがどうなっているかはよくわからないが、寄付文化が根付いている国だからこそ成立するキャンペーンなのかもしれない。

日本では機種変更でキャリアが古い端末を下取りしたり、中古市場も活発なため、なかなか寄付というサイクルに繋がりにくいイメージがあるが、日々中古のスマホが発生しているのは間違いないし、どの家庭にも使い道のない古い端末が眠ってイタリしがちではないだろうか。そんな不遇の端末の有効活用法としても、このような活動はヒントになるかもしれない。

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