2021年3月15日月曜日

スペイン、アルハンブラ宮殿で「喋る3Dモデル」を展示。文化遺産をアクセシブルに。

プレゼンテーションの様子(画像引用元


スペインが誇る世界文化遺産であるアルハンブラ宮殿で、視覚に障害がある観光客のための触れられる3Dモデルが試験的に展示されています。これはヨーロッパの世界文化遺産のアクセシビリティ向上を目指すプロジェクト「UNESCO4ALL」の一環として実施されたものです。


目の見えない訪問者は、宮殿内の有名な庭園であるパティオ・デ・ロス・レオネスのジオラマ模型を指先で探索しながら、象徴的なライオンの噴水モニュメントなどを3Dモデルに触れて体験することができます。

この模型にはセンサーが組み込まれており、触れている場所に応じて、建築物の文化的価値や歴史的背景などを説明する音声ナレーションが流れる仕組みになっています。


建築物など触れることが難しいものを視覚障害者へ説明する手段として、触覚モデルは広く用いられてきました。しかし「物言わぬ」模型に触れるだけでは理解することが難しく、人力によるサポート、つまり口述による説明や別途よういされた音声ガイドなどが不可欠でした。

このトーキングモデルを制作したUNESCO4ALLによると、触覚モデルに音声を統合することで得られるインタラクティブな体験は視覚障害者の自立性を高めるだけでなく、あらゆる人々にも有益な情報を提供することができると語っています。


UNESCO4ALLはEUに加盟している6カ国、イタリア、ブルガリア、クロアチア、マルタ、スペイン、オランダに拠点を置く文化のアクセシビリティに取り組む組織によって構成され、ユネスコ世界文化遺産のアクセシビリティ、特に視覚障害者のための支援技術の促進に力を入れているプロジェクトです。

現在アルハンブラ宮殿に加え、クロアチアのサンティアゴ・デ・シベニク大聖堂、イタリアのアクイレア大聖堂、ブルガリアのリラ修道院の四ヶ所で同様の試験プログラムが実施されています。


参考:Un proyecto europeo acerca la Alhambra a las personas ciegas (granadahoy.com)


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