2020年8月23日日曜日

A11Y Topics #004。Fire TVに「Text Banner」、AIRAの無料サービス、振動スニーカーなど。

※乱文・誤変換ご容赦です。

Amazon、Fire TVの新しい視覚アクセシビリティ機能「Text Banner」。


Amazonは同社が販売するメディアストリーミングデバイス「Fire TV」に、新しい視覚アクセシビリティ機能「Text Banner(テキストバナー)」を提供すると発表した。
これは画面の任意の位置にバナーと呼ばれるボックスを表示しその中にメニューカーソルがフォーカスしたテキストを表示する機能。テキストの大きさやカラー、バナーの配色はカスタマイズ可能で、画面が見えにくいユーザーが最適な方法でFire TVのメニューのテキストを読み操作できるようになる。
特に視野に制限のあるロービジョンユーザーにとっては大画面テレビに表示されるテキストを追いかけるのは非常に難しい。Text Bannerは見えやすい位置にバナーを固定できるため情報が得やすくなる。
Fire TVの視覚アクセシビリティ機能には他にも、音声読み上げ機能「VoiceView」や画面全体をズームする拡大鏡、ハイコントラスト表示(テスト中)が用意されている。これまで拡大鏡でFire TVを使っていいたロービジョンユーザーにとって、画面全体を把握しつつテキストを見やすくするText Bannerは待望の機能だろう。

AIRA、5分間の無料接続サービスを縮小へ。


北米とオーストラリア、ニュージーランド、英国でスマートフォンを用いた視覚障害者の有人遠隔サポートサービスを提供しているAIRAは、昨年8月に開始した5分間の無料アクセスサービスの利用条件を変更すると発表した。
これまではゲストを含む全てのユーザーは回数制限なくいつでも5分間のアクセスが可能だったが、2020年8月25日以降は有料会員は4時間に1回、ゲストユーザーは24時間に1回という回数制限がかかる。
この変更の背後には、無料アクセスユーザーの増加によるAIRAへの財政的負担の増加がある。無料アクセス開始前は空港などからの無料アクセスが全体の5%程度であったが、無制限アクセス開始後はその割合が55%にも達したという。有人エージェントによるサポートを行うAIRAにとって、この状況は今後の事業継続に大きな悪影響を及ぼすと判断したようだ。なお博物館や空港、スーパーマーケットなどAIRAと提携している施設では引き続き無料でAIRAサービスが提供される。
一方でこの変更は無料アクセスで獲得した多くのユーザーに大きな影響を与えることは確実だろう。影響を受けたユーザーがどれだけ有料プランに以降するかは未知数だ。AIRAによって自立を獲得した視覚障害者の中には、経済的な制限のため再び不便な生活に戻ってしまう者が少なからず存在するだろう。Twitterからの反応も様々だ。
障害を持つ人々にとってテクノロジーやそれに伴うサービスへの依存度は今後も大きくなっていくはずだ。AIRAの発表は日本に住む筆者にとって直接影響のある話ではない。だが普段便利に利用しているサービスや機器をどのように持続させていくのか、企業、ユーザー共に考えていく必要があると思った出来事だった。

視覚障害者ナビもできるスマートスニーカー「KEEXS eMotion」がクラファン中。


フットウェア開発を手がけるオランダのスタートアップKEEXは、さまざまな機能を持ったスマートスニーカー「KEEXS eMotion」を発表し、 ― Kickstarterでクラウドファンディングを開始した。すでに目標額を超えた出資を獲得している。
このスニーカーにeMotion PODと呼ばれるスマートチップを装着し、スマートフォンアプリとペアリングすることで歩数や走行距離などのバイタルデータを収集するほか、振動フィードバックを用いたナビゲーションも可能という。同社はこの機能で視覚障害者の運動をサポートできると語っている。なおナビゲーション機能を利用するにはPodを両足に装着する必要がある。他にもランニングのパフォーマンスを最大限に引き出すオリジナルミュージックなどユニークな機能も用意されているようだ。
視覚障害者をナビゲーとするフットウェアとしてはすでに「LeChal」(以前書いた記事)が販売されているし、国内でも色々検討されている模様。どの程度効果があるものか興味深い。振動がくすぐったくないのかな。

デジタルイメージのアクセシビリティを向上する技術、2つ。


SAS Institute Inc.は、Web上のグラフィック情報をSonification(音響化)し視覚障害者へ情報を伝えるChrome用機能拡張「SAS Graphics Accelerator」を無償公開した。
これは一定条件に当てはまるグラフ画像やGoogle Mapsの地図をキーボードやゲームコントローラーで探索できる形式に変換するもの。特にマップでは仮想白杖を用いて地図上のオブジェクトを探したり、音のへんかでオブジェクトの位置関係をイメージしメンタルマップの作成を支援する。ちょっと触った感じでは、ルート探索というより、マップ全体にどのようなスポットが配置されているかを把握することが主な目的のようだ。

視覚障害者のための支援技術を開発する米メイン大学出身のスタートアップUNAR Labsは、国立衛生研究所の中小企業イノベーション研究フェーズIプログラムの下で30万ドルを授与された。同社が開発している「Midlina」と呼ばれる技術は、スマートフォンやタブレット上の写真、グラフ、地図といったグラフィカルな情報を音や振動を組み合わせ視覚障害者へ伝達することを目標としている。まだ具体的な製品はリリースされていないが、この技術を用いて視覚障害者の教育や就労環境の向上を目指すという。

なぜか海外で嫌われているフォント「Comic Sans」。


海外では欧文書体のひとつ「Comic Sans」を嫌う人々が多いらしい。
Comic Sansを揶揄するミームやツイートは広く拡散され、それに止まらずComic Sansを用いている人々を攻撃する言動も見られるという。この書体をコンピューターから削除使用というキャンペーンサイトまである。
反Comic Sans派はこのフォントが幼稚でアンチプロフェッショナルであり、テクニカルではないと主張する。これはこの書体が元々コミック本の文字からインスパイアされデザインされた経緯が少なからず関係しているようだ。
一方でComic Sansは、英国ディスレクシア協会によって、ディスレクシアなどの学習障害を持つ人々のために最適なフォントの1つとしてリストアップされている。文字の形が判別しやすく文字間に適度なスペースが保たれていることがその主な理由だ。アクセシビリティという面からは優秀な書体なのである。そこまで嫌われる謂れはなさそうだが……。
もちろんフォントの好みは十人十色であり、より多くの人々に良い印象をもたれるためにはより好まれやすい書体を選ぶのが合理的だろう。一方で近年では「読みやすさ」を重視したユニバーサルフォントが開発されており、教育現場などで利用され始めている。結局のところ各個人のセンスと目的、アクセシビリティ意識に応じて選べばいいという話な気がする。個人的にはユニバーサルフォントを推奨したいけどね。
Comic Sansをめぐる一連の騒ぎがどこまで本気でどこまで冗談なのかわからないが、一つのフォントを名指しで攻撃するのは差別を助長する可能性もあり問題がありそうだ。好みを主張するのは自由だがフォント自体を排除するのは筋違いであろう。

その他、気になったトピックスとか。


2021年3月に予定されているCSUN支援技術カンファレンスは、完全なバーチャルで開催されることが発表された。先日CES 2021もオンラインによる開催が発表されており、現在の米国におけるCovid-19感染状況を考えると止むを得ない決断だろう。結局、1年では終息しなかったのだなあとしみじみ。

映画「パラサイト 半地下の家族」のアカデミー作品賞受賞で浮き彫りになる、米国における外国語映画の音声解説の不備。現状米国では「パラサイト」の音声解説は制作されておらず、一方で英国では提供されている。故に米国の視覚障害映画ファンは英国版ソフトを待っている状態のようだ。米国では字幕で映画を鑑賞することはまだ一般的ではないらしくアクセシビリティの面からも改善が望まれている。

現在さまざまな機能を持つスマートアイウェアが発売されており、中には「治療」的な謳い文句のものもあるという。果たしてそれは本当なのか?専門家による検証を行なっている記事。効果のある製品についても、どのような目の状態を持つ人々に役立つかを知ることが重要だ。それにしてもいろいろなメガネが販売されているのだなあ。

英国Citizens Adviceの調査によると、このロックダウン中、一週間のうちに、障害者の5人に2人が荷物配達のトラブルに遭遇していたことがわかった。これには置き配した荷物の場所がわからない、配達されたタイミングが知らされないといったトラブルが含まれる。
外出が制限される中、障害者にとって配送サービスは命綱だ。運動に障害を持つ者が手の届かない荷物を前に立ち往生したり、視覚障害者が荷物を探して延々と手探りする状況は決してあってはならない。Citizens Adviceは英国の主要運送会社に対し改善を求めている。

フライトシミュレータファンが待ち望んでいた「Microsoft Flight Simulator」最新版が満を辞してリリースされた。前作から14年ぶりの登場ということで、あらゆる面でパワーアップされているようだ。筆者はまだ見えていた頃、Microsoft Flight Simulator 2004がお気に理で、せっせとアドオンやシーナリーパックを購入していた記憶がある。最新作ではクラウドによる衛星写真のストリーミングとAIによるオブジェクト生成により、格段に高品質でリアルなフライトが楽しめるらしい。技術の進歩って素晴らしい。あー、これは見てみたかった。
さてこの作品のアクセシビリティだが、以前開発者に対する取材でかなり注力されていることが報じられていた。だがいざリリースされてみると、搭載されているアクセシビリティ機能は平均以下のもので、全盲のユーザーがプレイできるようには仕上がっていないようだ。
とりあえず残念だが、今後のアップデートで向上されることを期待したい。風景は見られないかもしれないが、管制官とやりとりし航空機を操るだけでも楽しいと思うのだ。


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