2019年12月3日火曜日

[iPhoneアプリ] 無料で使えるICカード読み取りアプリを色々試してみる。


iOS13の登場で、iPhone 7以降に搭載されているNFCを用いたサードパーティ製アプリが解放され、用途が大きく広がった。その一つが、SuicaやPasmoなどの交通系カードやNanacoなどの電子マネーのICカードの情報取得。
QRコードでキャッシュレスな人々にとっては今更ICカードかよと思われるかもしれないが、ICカードはそれなりのメリットも使う意味もあるのである。筆者も無記名のPasmoを障害者手帳に忍ばせて活用している。

さて、そんなiPhone 7以降とiOS13で実現したICカードの読み取り。
全盲の筆者にとって、ICカードの残高がいつでも確認できるようになったのは大きな進歩。目が見えていればチャージする時や自動改札を通過した時に残高を確認できるが、筆者は確認する手段が限られていた。まあ大抵は有人改札をとる時に確認してもらうんですけどね。
もちろん晴眼者にとっても、利用履歴を取得してそのデータをエクスポートし、交通費の管理に活用するなど大きなメリットがある。

iOS13のリリース以降、ICカードを読み取るアプリは数多くリリースされている。ここではその中から基本無料で使えるアプリを5本ピックアップし、Voiceoverユーザー視点でインプレッションを書いてみたい。

いずれのアプリも使い方はほぼ同じ。スキャンボタンをタップすると読み取り待ちになるので、ICカードをiPhoneの裏面にかざす(iPhone 7であればアウトカメラ付近)。読み取りが成功すればサウンドとともにiPhoneが軽く振動し、読み取られた情報が表示される仕組みだ。
アプリごとに残高の表示や明細に含まれる情報に違いがあったり、エクスポートや履歴データの管理方法に特徴がある。そのあたりも含めてチェックしていこう。

※各アプリの内容は執筆時点のものです。今後変更・改良される可能性があります。

CardPort


開発/Yuki Yamashita
Version.2.0.16

このアプリはVoiceover対応を公式にアナウンスしているので(確か)、視覚障害者も安心して利用できる。ボタンも的確にラベル付けされている。ICカードの読み取りは画面の一番下中央にある「スキャン」と読み上げられるボタン。
ICカードをスキャンし、「履歴」タブを選択すればICカードの利用履歴を日付ごとに表示してくれる。日付に見出しタグが付けられているが、曜日や日毎の利用金額にも見出しが付けられているので、見出しジャンプの効果が薄いのが惜しい。
「カード」タブではシンプルにカードの残高を確認できる。いずれも数回スワイプすれば残高を読み上げてくれる。
ICカードの名前はカスタマイズできるので、同じ種類の複数のカードを管理するときも便利だろう。また、スキャンした利用履歴は期間を指定してCSV形式もしくはメール本文に記載する形でエクスポートできる。カードの名称変更やエクスポートは「カード」タブで表示されるカード名をタップして実行する。
さらにCardPortはショートカットにも対応指定おり、Siriから簡単にカードのスキャンを実行できる。手順は後述。

マルチICカードリーダー


開発/HALLUCIGENIA, INC.
Version.1.15.1

ICカードのスキャンは「Button Scan」と読み上げられるボタン。お察しの通り、一部のボタンにラベルが付けられていない。ただ実用には問題はない。
スキャンが完了すると利用履歴がリストアップされる。窓口で清算した履歴で駅名が表示されない、残高が各明細の末尾に表示されているためちょっとわかりにくいなど、Voiceoverユーザーには少し不便に感じる部分もある。あとリスト中に広告が表示されるのも微妙かな?
利用履歴はスキャンした単位で保存され、CSV形式でエクスポートできる。

ICカードリーダー by マネーフォワード


開発/Money Forward, Inc.
Version.1.5.0

カードのスキャンは「ICカードをスキャンする」と読み上げられるボタン。ボタンのラベルは一部を除いて的確に付けられている。少し気になったのは筆者のケースだけかもしれないが、他のアプリと比べてICカードの読み取りエラーが発生しやすいように感じた。もたもたしていると、すぐタイムアウトしてしまう。でも気のせいかも。スキャンが成功すると音声でアナウンスしてくれるのが親切。
ICカードのスキャンが成功すれば、カード名称と残高、利用履歴が表示される。利用明細は駅名、路線名もしっかり表示されわかりやすい。
またカードの名称は好みのものにカスタマイズできる。さらに明細画面から、履歴をCSV形式もしくはマネーフォワードのアプリへエクスポート可能だ。ただスキャンした履歴は保存されないようなので、逐一スキャンしなければならないのは手間かもしれない。

ICリーダー


開発/Shintaro Kawamura
Version.2.0.16

スキャン実行は「ボタン」と読み上げられるボタンから。ラベルが付けられていない要素が多いので注意が必要。実用には問題ないが、機能が充実しているだけに残念に思う。
利用履歴は日付ごとにリストアップされ、見出しジャンプを使ってブラウズできる。また日付などでリストのフィルタリングができるのも特徴。Siriショートカットも用意されている。
利用履歴はスキャンした単位で保存され、CSV形式でのエクスポートも可能だが、アプリ内課金(120円から)が必要。

Japan NFC Reader


開発/Ryoga Tanaka
Version.0.2.9

ICカードの読み取りは「スキャン」ボタンから。ボタンのラベル付けは問題なく、Voiceoverで快適に操作できる。
デフォルトではスキャン後すぐに利用履歴を詳細表示するが、残高だけを表示させることも可能。カード名称のカスタマイズにも対応している。
個人的には履歴の種別が「交通機関」「支払い」「チャージ」といったようにわかりやすい表記なのが好印象。ただ自動改札と窓口清算の区別や路線名が表示されないのは使い方によっては不便に感じるかもしれない。
「履歴」タブを開くと、かこにスキャンしたデータへアクセスできる。エクスポートは詳細表示画面の「共有」から実行する。ここでは書き出したい項目を選択したり項目名もカスタマイズでき、用途に応じて最適なデータを出力できる。エクスポート機能を重視するなら要チェックだろう。


ショートカットを使ってICカードをスキャンする。


本記事で紹介したアプリの中で「CardPoet」と「ICリーダー」はSiriショートカットに対応している。「ショートカット」アプリで新規ショートカットを作成しアプリからCardPortもしくはICリーダーのアクションを登録すれば、Siriから直接ICカードのスキャンを実行できて便利だ。
ここではCardPortのショートカット作成手順を紹介しよう。

  1. 「ショートカット」を起動しマイショートカット」タブを開く
  2. 「ショートカットを作成」を開き「アクションを追加」をタップ
  3. 「App」をタップし「CardPort」を開く
  4. 「カードをスキャン」を開き「次へ」をタップ
  5. ショートカット名を入力する。この名前が音声コマンドになる
  6. 「完了」をタップ

これで完了。Siriを起動し登録したショートカット名を話すと、CardPortが起動してスキャン待ち状態になり、即座にICカードをスキャンできる。

なんとなく、まとめ。


今回取り上げた5アプリは、多少ラベル付けで差はあるもののVoiceoverで利用することができた。ラベルが付けられていないボタンも機能は明確なのでカスタムラベルを付けるのも難しくないだろう。
個人的な印象としては、シンプルに残高や最近の履歴を確認する用途であればショートカットにも対応した「CardPort」、履歴の管理を重視するなら「Japan NFC Reader」が良さそうと感じた。
ただアプリごとに履歴の明細に表示される内容に微妙な違いがあるため、利用スタイルによっては他のアプリの方が便利に使えるかもしれない。所有カードの枚数などによっても印象は違うかも。自分の用途にマッチしたアプリを見つけてみよう。

P.S.
ここではICカード読み取り専用アプリを紹介したが、「乗換案内Jorudan)」や「バスNAVITIME」といった乗り換えアプリにもICカードの残高を確認する機能が追加されている。バスNAVITIMEはちょっとVoiceoverでは使いにくいけどね。


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