2018年12月18日火曜日

Instagramの自動代替テキストは、視覚障害者に何を伝えるのか。

Instagram for iOS Screenshot

2018年11月29日、Facebook傘下のInstagramは、投稿された写真や動画のサムネイルなどのイメージにAIによる自動代替テキストを追加する機能と、写真投稿者による代替テキストの編集機能を公開した。

ユーザーが写真を投稿すると、Instagramはその写真に何が写っているかを解析して代替テキストを生成する。その内容はスクリーンリーダーを用いることで音声として確認できる。写真についてはユーザー自身で代替テキストを追加することもでき、より的確な写真の説明を、見えない・見えにくいユーザーに伝えられる。

この機能は、iOSおよびAndroid版アプリのほか、パソコンでもブラウザのユーザエージェントをモバイル用ブラウザに変更することで利用できる。


代替テキスト機能の使い方


自動代替テキストは、通常通り写真や動画を投稿すれば特別な操作なしで追加される。
写真の場合は、投稿者が任意の説明文を代替テキストとして指定できる(動画は不可)。この場合、テキストの自動生成は行われない。
ユーザーが手動で説明を追加する手順は以下の通り。(iPhoneアプリの例)

1.画面下中央の「Open camera」をタップ
2.写真を撮影する、もしくはライブラリから写真を選ぶ
3.フィルタ設定/編集を行い「次へ」をタップ
4.「新規投稿」画面になるので「詳細設定」をタップ
5.「アクセシビリティ」にある「代替テキスト」をタップして編集する
6.「Share」をタップして投稿

また自分が投稿した写真なら、代替テキストを後で追加することもできる。自動生成された代替テキストの確認もここから可能だ。

1.「プロフィール」タブから写真を開く
2.「More options」をタップ
3.「編集する」をタップ
4.「代替テキストを追加」をタップして代替テキストを編集する
  もし自動で代替テキストが追加されている場合はその内容を確認できる
  また手動代替テキストを消去すると自動生成テキストに戻る
5.「完了」をタップして編集を終了する


自動生成されたテキストはどんな感じ?


スクリーンリーダーで代替テキストがどのように読み上げられるかは、実際に試して見るとわかりやすい。iPhoneならSiriに向かって「ボイスオーバー オン」と話しかければ、標準搭載されている「Voiceover」が有効になる。この状態でイメージをシングルタップすれば、代替テキストが読み上げられるはずだ。
確認が終わったら、Siriに「ボイスオーバー オフ」と告げれば通常の操作に戻る。
Androidデバイスなら、同様に「Talkback」と呼ばれる標準スクリーンリーダーを用いて確認可能。ただ端末によってはインストール作業が必要だったり起動方法が異なるので注意が必要だ。

Instagramで生成される代替テキストはこんな感じ。
全てのテキストには「画像に含まれている可能性があるもの」と接頭語がくっつく。

・猫、室内 イメージ
・植物、花、木、屋外、自然 イメージ
・1人、あごひげ、帽子、クローズアップ イメージ
・1人以上、座ってる(複数の人) +6
・1人以上、ダンス(複数の人)、立ってる(複数の人)、オンステージ(複数の人)、靴

どのような写真なのかイメージできただろうか。
最後のものなど、よくわからないがいかにも賑やかな風景が想像できる。にしても「靴」ってなんだ。
人物についてはクローズアップならある程度の特徴も説明してくれるようだ。ただ現状では基本的に大まかなオブジェクトの種類を判別するレベルだ。
それでも一切の手がかりがない状態に比べれば、全く見えない状態でも想像力を働かせ、それなりにメッセージを受け取れる。ただInstagramの特性上、キャプションが省略されている投稿も多く、見えなくても楽しめるかと聞かれれば「微妙」と言わざるを得ない。
それはInstagramほぼ初挑戦の筆者が、楽しみ方を知らないだけかもしれないが。

なお、筆者が確認した範囲では、投稿者による手動代替テキストには出会うことはできなかった。まだ導入から日が浅いこともあるだろう。インフルエンサーがこの機能を積極的に使ってくれれば普及するかも、と思ったものの、代替テキストに気がつくのはスクリーンリーダーユーザーだけなので、認知度を上げるのは結構難問かもしれない。
しばらくは、見えない・見えにくいフォロワーを持つユーザーを中心に利用される機能なのだろう。でもいつかは人気Instagrammerが、写真を説明してくれるようになると嬉しいなあ。


見えなくてもInstagramを満喫できる日は来るのか


Instagramは、代替テキストに続き、オーディオによるダイレクトメッセージやトランシーバー的なボイスメッセージ機能も提供を開始するなど、視覚に依らないコミュニケーションにも力を入れ始めているようだ。

今後の動き次第では、今まで自分とは無縁と感じていたユーザーにも魅力的なサービスに変貌するかもしれない。
ただそれには、Instagramを利用しているすべてのユーザーに、見えない・見えにくいユーザーも自分の投稿を目にするかもしれない、という認識が浸透しないと難しいだろう。それはInstagramに限った話ではなく、デジタルコンテンツのアクセシビリティの根幹に関わる課題でもある。

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