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画像引用元:Snopes.com これはおよそ40年ほど前、北米で大流行していた家庭用テレビゲーム機「ATARI 2600」の広告画像です。「If I could play video games, you bet it would be ATARI!(もし僕がゲームをプレイできるとしたら、本命はATARIだ!)」と題されたこの広告。クレジットには1981年とあり、ATARI 2600とともに、盲目のミュージシャンStevie Wonderが写っています。 My friends tell me the graphics are the best. I don’t know what that means, but … 「友達はグラフィックが最高だって言ってる。僕にはわからないけどね……。」 He likes to hear his friends having fun! 彼は友達が楽しむ声を聞くのが好きなんだ! Even Stevie can fumble his way through a joystick. Stevieだって手探りでジョイスティックを操作できるよ。 Stevie likes to play alone, even if he has no idea what’s happening. Stevie は、何が起こっているかわからなくても、一人で遊ぶのが好きなんだ。 はい、お察しの通り、この広告はフェイクです。 Snopes.comの記事によると、この画像の元ネタは、Wonderが実際に出演していたMusitronics Corporationのエンベロープフィルター「Mu-Tron III」の広告。2014年頃には既に流通していた画像らしく、当時のKOTAKUの記事によると、フェイクとしては完成度が高いとの評価です。当時、みたことのある人もいるかもしれませんね。 さて、このようなフェイクが作られ、流通する背景には「盲人はゲームをしない」と決め付けている共通した認識が透けて見えます。もちろんこれは事実とは異なりますが、ある程度、仕方のないことかもしれません。 でも近年のゲームアクセシビリティの動きを見ていると、Stevie WonderがリアルにPS5やXboxの広告に登場するのも、そう遠井日の話ではないような気もします。「Why do you still play games while looking at the screen?」とか言ってみたりしてね。 ジョークのつもりで作られたフェイクが、実は未来を予言していた……、なかなかに愉快なお話です。いつか現実がフェイクを追い越す瞬間を見届けたいものですね。 参考:Did Stevie Wonder Endorse Atari Video Games? | Snopes.com |
全盲のICTライターによる、主にアクセシビリティと障害者支援技術に関する覚書。 お仕事お待ちしております。詳しくは以下のリンクをご覧ください。 http://bit.ly/2mhbqEq
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